親知らず
親知らずとは
前歯から数えて8番目の奥歯を「親知らず」と言います(第三大臼歯、知歯とも言います)。
親知らずは。10歳頃に顎の骨の中で形ができ始め、20歳前後で生えてきます。
親に知られることがなく生えてくる為、「親知らず」と呼ばれているそうです。
現代人は昔の人に比べアゴが小さくなってきていることもあり、かつ親知らずは他の永久歯よりも極端に遅れて生えてくる為、歯が生える場所を確保できず位置異常を起こしたり、きちんと生えることができず傾斜して生えてきたり、歯肉に埋まったまま埋伏したりなど、問題を起こすことが多い歯であると言えます。
親知らずがあることのリスク
歯肉に部分的に埋まった状態の親知らずは歯周炎の原因となったり、生える方向がおかしい場合、他の歯や歯茎に悪影響がある場合があります。
特に、親知らずがまっすぐに生えてこないと、前の歯との間に隙間ができ、汚れが溜まりやすくなり、細菌が増え、智歯周囲炎という炎症が起きてしまいます。
智歯周囲炎は腫れや痛みが出ても、多くの場合は1週間ぐらい経つと症状が落ち着いてきます。しかし、また疲れや寝不足で体の抵抗力(免疫力)が下がったり清掃不足で細菌が増えてくると症状が繰り返されます。
他にも、親知らずの異常を放置していると、健康な隣の歯まで悪影響を受けて、複数の歯の処置が必要になってしまう場合もあります。
また、親知らずが横向きや斜めに生えて隣の歯の根っこを押すようになると、隣の歯の根っこが溶けたり短くなるなるといった歯根吸収が起きる場合があったり、親知らずの生え方によって歯並びやかみ合わせが悪くなったり、親知らずと奥歯との隙間に食物がたまりやすくなることから口臭の原因になる場合もあります
抜かないといけないの?
結論から言いますと、抜いたほうが良い場合とそうでない場合があります。
抜いたほうが良い場合は、きちんと生えてくることができなかった場合、虫歯になってしまい生えてきた位置によって治療ができない場合や、歯周病や歯冠周囲炎などの原因になってしまう場合、かみ合わせや歯並びを変えてしまう恐れのある場合、頻繁に腫れたりする場合などが考えられます。
つまり、親しらずの存在によって何らかのトラブルが生じ、抜くことによってそれが解決でき、抜歯した方が保存した時よりメリットが大きいと判断できる場合は抜歯をお勧めしております。
反対に抜かなくてもよい場合は、きちんと生えていて正常に機能しかみ合わせに参加している場合や、問題なく生えており歯みがきなどしっかりと磨くことができる場合、将来的にりようする可能性がある場合は抜かずに残しておく方が良いこともあります。
反対に抜かなくてもよい場合は、きちんと生えていてかみ合わせに参加していている場合でしっかりと磨くことができる場合です。
抜くと腫れる?痛む?
まず痛みですが、抜歯の際には麻酔をかけるので痛みを感じることはほぼありません。抜歯後、麻酔の効果が薄れてきたら痛むことが多い為、痛み止めを飲んで頂くことで痛みを抑えることができます。
続いて腫れについてですが、下の親知らずを抜いた時の方が上を抜いたときよりも腫れやすいです。これは上あごのほうが、骨の密度が下顎に比べ低いため、内圧がかかりにくい為です。腫れの目安としては抜歯後2~3日がピーク、それから1週間~10日前後で引いてくることがほとんどです。