歯周治療
歯周治療
歯周病とは
歯周病とは、プラーク内の歯周病原細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患のことで、歯ぐき(歯肉)に炎症が起き、その炎症が進行することで歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気のことを言います。
炎症が歯肉のみの場合は歯肉炎、それ以上に進行すると歯周炎(歯槽膿漏)と言われます。
歯と歯肉の境目(ポケット)には歯垢(プラーク)が溜まりやすく、その歯垢を歯磨きやケアなどで取り除かないと、ポケット内のプラークが唾液の働きも借りて歯磨きでは落とすことのできない固い歯石になり、歯と歯肉の境目や歯根の表面にこびりつき、それらが出す毒素が原因で歯肉が炎症を起こし、歯肉が赤くなったり、腫れたりします。歯磨き時に出血する時もあります。
歯周病は虫歯と違い痛みなど自覚症状がない場合が多い為、気が付かない内に進行が進むケースが多く、さらに炎症が進行することで、歯肉から膿が出たり、歯を支えている歯槽骨やセメント質、歯根膜も破壊され、歯が大きく動揺するなどし、場合によっては歯を抜かなければならなくなってしまいます。
通常健康な歯肉のポケットは1~3mmなのですが、歯周炎になってしまった場合、歯の表面のプラークが歯肉の炎症を引き起こし、ポケットが3~4mmまで腫れてしまいます。
またプラークが固まり歯石になると、歯根を支えている骨に悪影響が引き起こされ、5mm以上の深いポケットが進行してしまいます。
なお、40代以降で歯を失う1番の原因が歯周病と言われており、成人の80%以上が歯周病にかかっていると言われています。
年齢別歯周病罹患率としては、15~24歳が約20% 、25~34歳で約30% 、35~44歳で約40%、 45~54歳は約50%、そして55歳以上は55~60%が歯周病に罹患しているというデータもあります。
歯周病の原因
その主な原因は細菌です。磨き残しが多かったり、砂糖の摂取が多いと細菌がネバネバした物質をつくり、歯の表面にプラークという細菌の 塊になってくっつきます。これはうがいをした程度では取れません。このプラークが歯茎を腫らしたり、歯の周囲の骨を溶かしていきます。
また、他にも歯ぎしり、くいしばり、喫煙、全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常など)、不規則な食生活や栄養の偏り、ストレスなども進行を加速させるので注意が必要です。
歯周病治療
まずは原因となる細菌の除去をしていくことが重要になります。つまりプラークを残さない適切な歯磨きが重要なポイントであると言えます。
ただ、どれだけ歯磨きを十分に行っても全てのプラークを取り切ることができません。やはり定期的に歯科医院に通い、歯のメンテナンスやクリーニングを受けて頂くことが一番重要なことになります。
特に歯周病はお口の中だけにとどまらず、体全身にも悪影響を及ぼすことが最新の研究結果で分かっています。
口腔内の炎症が続いていると、歯周病菌や菌の出す毒素が血液によって心臓に運ばれたり、肺に入ったりなどして全身疾患を引き起こす恐れがあります。
歯周病の初期症状としては、痛みなどはないものの、歯肉が赤くなっていたり、歯を磨くと出血するなどのサインがあった際には直ぐに歯科医院にかかるようにし、また定期的に歯科医院に通い、歯周病の予防に努めるようにしましょう。
歯周病のセルフチェック
下記の中で思い当たるものがないかチェックしてみてください。
✅歯肉の色が赤く、ところどころ腫れている
✅歯磨きの時、歯茎から出血する
✅口臭が気になる
✅歯肉がむずかゆい
✅食べ物を噛むと歯が浮いたような感じがする
✅冷たいものを飲むと歯や歯茎がしみる
✅以前より歯が長くなった
✅歯と歯の間に隙間ができたと感じる
✅時々、ずきずきと痛む
✅タバコを吸っている
✅歯がぐらぐらと動く
✅歯茎を押すと、膿のようなものが出る
✅血糖値が高い、または糖尿病と診断された
チェックが多い方は歯周病の可能性があります。もし少しでも気になる症状のある方は手遅れになる前に歯科医院へご受診ください。